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イギリス留学のこんな変化

大手メーカーの参加は、地場の取引先にとって工場の設備投資に踏み切りやすくなるというメリットもあった。
これまで、大手メーカーは小売業と全方位外交の取引を行うのが常識で、Sのために技術協力や専用工場を建設することには否定的な企業があったのも確かだ。 ただ、SのPOSデータによって、販売情報が毎日手に取るように確認できることは、消費者の嗜好を知る上で極めて重要だった。
このため大手メーカーは徐々にNDFに加盟するようになっていった。 ライバルチェーンもSを参考に組合方式による組織を作っている。

しかし、Fは1995年、Lが99年と大きく出遅れた。 約2年の差こそが企業の力の差になって現れている。
NDFはSにとって極めて重要な組織であることは間違いない。 しかし、Sの本部はNDFに出資していない。
同時に、S本部は総菜メーカーへの出資も基本的に行わない。 なぜだろうか。
S本部とNDFと加盟しているメーカーは一蓮托生の関係にあり、一種の「系列」と見ることも出来る。 自動車産業では自動車メーカーから部品メーカーまで強固な資本関係が結ばれ、その中から技術改善や製品開発のアイデアが出てくる。
S本部とNDF、加盟メーカーも同様に品質向上と商品開発に二人三脚で取り組む関係にある。 強固な資本で結ばれていてもおかしくなかったが、そうはならなかった。
Sの創業時、親会社はY堂だったとしても、ベンチャー企業に過ぎなかった。 現在のように気の利いた投資ファンドもなかった。
いわゆる「ヒト、モノ、カネ」のない困難な環境の中の船出だった。 そもそも、店舗やそこで働いている従業員はS本部の所有、所属ではない。
Sが持っていたのは、新しい小売業を展開しようとする斬新なビジネスモデルだけだった。 資本などあるはずもなかった。

こうした歴史的背景に加え、NDFの加盟企業に求められているのは、一種の緊張感である。 もし、SがNDF加盟企業に出資をしたとすると、その企業が問題を起こした場合、一時的には取引停止は起きても資本関係がある以上、取引を再開せざるを得ない。
すると、加盟企業には一種の甘えが生まれる恐れがある。 また、加盟企業が取引停止のまま経営難に陥ったら、S本部が株主責任を負うことにもなりかねない。
商品の評判を落とし「S」の看板に傷がつくだけでも致命的なのに、株主責任のリスクにさらされるのは避けておきたい。 出資をしているから取引を再開せざるを得ないということは、売り場を基点とした商品供給の連鎖とは全く次元が違う。

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